新車マーケティング

日産自動車は「日産レンタカー」のブランドで展開するレンタカー事業を新車のマーケティング活動に活用する。新型車や新モデルを投入した際の“話題づくり”にレンタカーを生かすとともに、時代のニーズが“所有から使用へ”と変革する中で、若者が積極的に車を利用する環境づくりに役立てる。同時に、新車・中古車販売店舗の再配置を進めるなかで、資産をレンタカー拠点として有効活用する方策も検討していく。

日産は１２月１日付で、レンタカー事業会社を金融子会社の日産フィナンシャルサービスから分社化して日産カーレンタルソリューション（酒寄誠社長）を設立、関連会社で直営販売会社の資産管理も業務とする日産ネットワークホールディングス（佐藤明社長）の全額出資子会社とした。
日産は今回の枠組み変更に伴い、日産本体や直営を中心とする販売会社とレンタカー事業の連携を深めていく。

具体的には、レンタカー拠点に新型車や新モデルを積極的に配置し、新車の販売促進活動の一環として試乗車としても活用していく。制約が多い販売店の試乗車とは違い、自由かつ気軽に乗ることができるレンタカーの特性を最大限に生かす。
また、所有から使用へと消費者の車に対する意識が変化するなかで、若者を中心に手軽に車を使うことができるライフスタイルの創造を目指す。こうした所有から使用への意識変化は、法人ユーザーでも進行していることを受けレンタカーの法人需要においても、リース事業との兼ね合いを計りながら戦略的に需要をマーケティングしていく。

一方、ネットワークホールディングスが持つ資産を生かす形で閉鎖店舗をレンタカー拠点に再生することにより、レンタカーのネットワークも拡充する考えで、こうした施策を通じてレンタカー事業そのものの拡大も図る。