県内レンタカー業界苦戦景気悪化が直撃、ビジネス客減少顕著。
景気悪化のあおりを受け、レンタカー業界が苦戦している。徳島県内のレンタカー店では、昨年十二月以降のレンタル台数が前年と比べて軒並み減少。
不況で経費削減に躍起になっている企業が利用を控え、ビジネス客が減ったことが大きな要因とみられる。帰省、旅行者の利用が多い年末年始の書き入れ時も不調に終わり、大手レンタカー店の関係者は保有台数の見直しを口にし始めている。
「不景気に強いといわれるこの業界にも、景気悪化の影響が及び始めている」と話すのは、県内三店舗で約三百五十台を保有するトヨタレンタリース東四国(高松市)の巽勇人スタッフマネジャー。
徳島空港店(松茂町笹木野)の昨年十二月のレンタル台数は前年同期と比べ5−10%減っており、利用者の約四割を占める県外ビジネス客の減少が目立つという。しかも、最もレンタル料が安い排気量一〇〇〇ccの乗用車を利用する人が全体の30−40%を占めている。
同じく県外ビジネス客の利用が多い駅レンタカー四国徳島営業所(徳島市寺島本町西一)やニッポンレンタカー四国徳島営業所(同市北出来島町二)、マツダレンタカー徳島中央店(同市中洲町一)も昨年十二月は不調で、利用台数は前年を下回った。
各店は年末年始も苦戦し、「盆はそれほどではなかったが、明らかに客足が鈍った」と口をそろえる。消費者の節約志向から、徳島に帰省した際や旅行時に利用するケースが例年より減ったという。
トヨタレンタリース東四国徳島空港店では、例年なら乗用車の約80%が予約で埋まるが、この年末年始は50%ほど。マツダレンタカー徳島中央店では、年末年始のレンタル台数が前年より約20%少なかった。
県レンタカー協会の森均会長は「ビジネス客以外の利用が少ない県内では、レンタカー店は今後より厳しさを増すかもしれない」とみる。
大手レンタカー店の関係者は「これまでは保有台数を増やしてきたが、このままでは減らさざるを得ないだろう」と口をそろえる。